わかる!RLCSとは……
・最近見始めたからあまりよくわからない……
・他地域のことも知りたい!
・今週忙しくて見逃しちゃった!情報まとまってない?
といった方向けに、「読むだけで今週のRLCSが大体わかる!」をコンセプトにした総合情報をお届け。
EU以外のMajor1 Qualifierが終了
EU以外のMajor1 Copenhagen進出チームが確定した動乱の週末。
APACの結果についてはもちろんのこと、NAの4枠争いやSSAで発生したBAN騒動等も取り上げていく。
2回目なのにMajor1最終節なため若干長くなってしまうこと、何卒ご了承の程……
用語解説
RLCS 2024
今シーズンのこと。2024年1月末より開始、9月終了予定。
Major 1 & 2
今シーズンのRLCSはMajor1とMajor2 の二期(split)制になっている。それぞれの期の最後にMajorと冠したオフラインイベントが1度づつ行われる。
Qualifier #
それぞれのMajorで3度行われる、地域予選的位置づけの大会。各Qualifierでチームが獲得した合計RLCSポイントにより、Major及びWorld進出が決まる。Q1、Q2と呼称する。
World
RLCS2024の最終的な王座をかけた世界大会。各地域に定められた出場枠をMajor2終了時点での合計RLCSポイントにより争う。
出場枠
MajorとWorlds共通、オフラインイベントへの参加可能枠。下記の合計16枠となっている。
EU4枠
NA4枠
OCE2枠
SAM2枠
MENA2枠
APAC1枠
SSA1枠
APAC
Status: Major1 Qualifier3 終了
スイスラウンド
日本でも屈指のプレイヤーFurlashh擁するLASがまさかの苦戦。
最終5戦目に迎えた相手は、前節共に戦い準優勝となりながらも放出したプレイヤーnaiを加えたチームGo Blocks。
様々な経験を経て一段と強くなったnaiが元チームメイトに対し気迫のプレイを見せ勝利、LASをBest8外へ蹴落とした。
GladiatorsはMaxeewがチームを引き立たせる良いプレイを見せ始めた。
VirtとReaLizeの連携理解度は昨シーズンに引き続き非常に高く、この二人への適応が高まればより一層の強さがでてくるはず。
エジプト(行きたい)から参加しているThe Courtは今回Best8に進出。
Ping差はあるものの、そのあたりをコントロールする上手さがあるようでAPAC勢は苦戦を強いられている現状。
注目のモルディブ(行きたい)チームOvertは勝利がつかめず0-3敗退。
とはいえ大会経験が少ない中での挑戦であり、今後の成長は大いにありうる。
日本勢はDTNやKOSが調子よく勝ち上がったものの、GB・RKが脱落。
どちらも惜しい試合があり次に期待したい。
プレイオフ
日本チームのDTN・KOSによるダービーが準々決勝で勃発。Lunaticが更に一皮むけた活躍を見せ、KOSが順調にBest4を獲得。
Gladiatorsは決勝までほぼ無傷で進む一方、Elevateはスイスで1敗しSEとの準々決勝でフルセットになるなどやや苦戦が目立つ。
それでもオフラインへ一縷の望みをかけるCHAPATIを準決勝で一蹴し、Major一騎討ちとなる決勝戦では3名の能力が際立つハイレベルなプレイを披露。
万全かと思われたGladiatorsに4-1をつける勢いを見せ、晴れて2024最初のAPAC代表となった。
ReaLizeは苦しい試合展開の中で集中力を切らしたかのようなシーンがあるなど苦戦。
とはいえ敗北後のReaLizeがそのままで終わらないことは周知の事実、また強くなった姿をMajor2で見せてほしい。
Kevin及びSphinxは初めてのオフライン進出。
中でもSphinxはあのDanielの記録を抜き、世界で最も低い年齢でのオフラインプレイヤーとなった。(15歳2か月)出典
初の世界戦、経験豊富なLCTと共に良い経験ができることを願ってやまない。俺も行きたい。
小ネタ
CHAPATI(チャパティ)はインド周辺における小麦粉を使用した食品の名称。
ナンの仲間、というと伝わりやすいか。
AbsCrazyがインド出身のためそこから出自していると思われる(未確認)。
NA
Status: Major1 Qualifier3 終了
スイスラウンド
Major出場4枠争いが熾烈となったNAのQ3ではスイスラウンドからバチバチの展開に。
開始前には4位から11位のチームまでがずらりと数ポイント差で並び、予断を全く許さない展開。
しかしここから明暗はチーム毎にくっきりと分かれる。
まずは強豪への回帰を図りたい両チーム、GarretGのNRGとJustinのRebelion。
しかしその気持ちが良くない形に出たか。
Rebelionは3試合連続2-3負け、NRGは2試合連続リバーススイープを食らいどちらも0-3でBest16止まり。
奇しくも引退する盟友SquishyのMuffinMenに順位を抜かれる形となった。
なお、Squishyは現役最後のシュートでアイコニックなシーリングショットを披露している。
最高の裏方仕事なカメラワークにも注目。
El último gol de @SquishyMuffinz como jugador profesional. Un golazo como pocos.@ThatGuyCrasher the zooming into that S6 world champs banner was truly amazing pic.twitter.com/sr0tLZztXm
— Juande (@Juande_RL) March 1, 2024
試合前には総合4位につけていたDIGも奮戦したもののまさかの10位敗退。
今季のダークホースとなったOGにRound4で0-3と調子を狂わされたのが要因か。
なんか妙に強いぞ、と警戒されていたPoaBも惜しくも敗退している。
なお、GenGがこれまで後塵を拝してきたG2に今季初めての勝利を記録。
プレイオフ前に調子の良さを見せつけた。
プレイオフ
GenGとG2が確定しているため残り2枠となった世界戦枠に7チームが望みをかけるプレイオフ。
NAの若き才能が集ったTSMは徐々に調子を下げるM80を撃破。
同じく大学戦上がりのOmeletteはNAトップのG2にまさかの大接戦を繰り広げるも僅かに及ばず。
GenGはスイスと同じく圧倒的な完成度を見せる。
悪夢のQ1から一転、着々と白星を積み上げつつもエンターテイメントな試合展開(褒めてる)を見せるOGはLGを下してついにTop4へ。
決勝は大勢が予想していたカードそのまま、G2 vs GenG。
ここでGenGがこのQ3で見せていた仕上がりの良さを決定的なものにする。
昨シーズン最後に調子を落とし、再調整に励んでいたAppJackが彼独特の冴えわたるプレイで敵陣をかき乱せば、NAが誇る俊英ChronicとFKが縦横無尽にゴールを揺らす。
4-1でGenGが勝利し、北米の王の座を奪還。
Majorでの対策が必至になることを国内外に見せつけた格好だ。
G2もDanielが個人技で「RLCS史上最高のゴール」と複数人に言わしめる圧巻のシュートを披露するなどしたが、チーム全体としてはスピード感のあるプレイに対しての弱さが出てしまったように見えた。
いやでもマジでこのシュートはヤバいから見て。
.@DanielRL__ the human highlight reel.#RLCS pic.twitter.com/m9IgibLsVw
— Shift (@ShiftRLE) March 3, 2024
Major進出は下記4チーム。
EU
Status: Major1 Qualifier3 top16
top16争いの時点でいくつもの有力チームが消えてしまうのがこのEU。
今回残念ながら勝ち残れなかったのはResolve、Galaxy、100%など。
Q2で大きくトーナメントを荒らしたSuhhhも今回は敗退している。
逆にBelligolやF4WD、Cougersは今回も勝ち抜け。
そして遂にあのKaydopとChausetteのSolaryも勝ち抜けている。
ベテラン勢だが彼らにもまだまだプレイを続けて欲しい。
来週はこの16チームによる白熱の本戦が行われる。
OCE
Status: Major1 Qualifier3 終了
スイスラウンド
概ね順当な勝ち上がりを見せたスイスラウンド。
Chiefsが不安な立ち上がりを見せたことと、有力プレイヤーがそろっているSKRIMZが敗退したことがトピックか。
個人的には注目の若手チームGremlinsやkaka minionsが調子良いことに注目していきたい。
プレイオフ
昨年まで優勝候補の一角だったGZ、やはり今年のロースターは現状少し格を落としたか、優勝の座は少し遠い。
変わってSuperLachieを筆頭とする強力なメンバーを引っ提げシーンに帰ってきたChiefsも勢いの維持に苦しんでいる様子。
決勝はMajor枠を確定させたPioneer vs PWR。
ここではOCE随一のベテランプレイヤーFeverが強さを見せつけ4-2で勝利し、OCE初の3大会連続優勝を飾った。
オフラインで消極的になってしまうプレイヤーが多い印象のOCEだが、地域内の層は確実に厚くなっている。
今年は一味違う世界戦を見せられるか、期待しよう。
Major進出は下記2チーム。
SAM
Status: Major1 Qualifier3 終了
スイスラウンド
なんといってもあのKRUがまさかの0-3。
COLとFURIAから迎えた二人はまだ水が合わないか、スイスから大きな波乱の展開となった。
CaioのBodybuildersやShadのTNも敗退し、ベテラン勢は少しうまくいかない週末となってしまったようだ。
一方でDiazが猛威を振るうw7mが今回も無事勝ち上がり。
更にKRUからdroppz、TSからSadを迎えたHeroBaseが躍進のトップ通過を見せている。
プレイオフ
昨シーズンより盤石の体制となったかに見えたSecretだが、どうにも決勝へ進めない。
Q1ではFURIA、Q2ではCOL、そして今回はまたFURIA……
準々決勝で代わる代わる北米帰りの2チームに潰されるついてない展開で連続top8止まりとなっている。
NiPもほぼ同じような境遇で、COL・FURIAに当たるとそこでトーナメントが終わってしまう。
南米生え抜きのチームにとっては大きな蓋に覆いかぶさられる形のMajor1となってしまった。
最後はその2チームが地域トップをめぐっての争い。
Q1こそCOLが勝ったが、Q2とQ3はFURIAが差し切る展開となった。
各世代の南米最強プレイヤーを揃えたFURIA、苦しんだ昨シーズンから一転して世界レベルの強豪に返り咲けるか。
COLはajgの居たころより ”更に” 安定感が失われている様子。
crrを追いかけてきたDORITOが良いバランサーになれるかがポイントだ。
Major進出は下記2チーム。
MENA
Status: Major1 Qualifier3 終了
スイスラウンド
MENAはなかなか波乱が起きづらい地域なイメージ、順当に強い8チームが勝ち上がり。
メンバーを見れば以前から君臨する強いプレイヤー達が残っているのがわかるはず。
個人的にはVisionやDragonsあたりを食い破るような若手チームが挙がってくると楽しみだ。
先週RuleOneを破る活躍を見せたROCも勝ち上がり。
DrKnownのプレイが強いとのことなので今後も期待したいところ。
プレイオフ
決勝まで順当な試合結果が並ぶプレイオフ。
SenzoのTMが唯一あと一歩でRuleOneを下せるところだったが無念のフルセット敗退。
決勝戦はQ1から3度同じマッチアップで3度同じ結果となった。
圧倒的な強さを見せる新生FalconsがついにMENAに待望のトロフィーを持ち帰る可能性は少なくない。
Major進出は下記2チーム。
SSA
Status: Major1 Qualifier3 終了
スイスラウンド
SSA生え抜きが4チーム、EUからのチームが4チーム勝ち残る展開となったスイスラウンド。
アルジェリア3人衆のEliteが上がれなかったのは残念。
プレイオフ
トーナメントはLimitlessが地域外チームとの決勝に勝ち抜き3連覇。
SSA随一のチームとしてMajor進出を確定させた。
非常に混沌とした地域の中で強さを保っているのは流石の一言。
BAN問題
今週のRLCSを大きく騒がせた事件がSSA Q3で発生。
イングランドから参加し、Q3開始時点で総合2位のチームYMCが1位LimitlessからMajor枠奪取を狙って仕掛けた盤外戦術が問題となった。
これまでスイスラウンドでは負け無しだったYMCだが今回は7位での勝ち上がりとなっている。
更に試合の開始時間を延ばすなど不可解な行為が見られていた。
一連の行為でYMCが狙っていたのはプレイオフブラケットにおけるLimitlessとの「準々決勝」での対戦。
LimitlessからMajor枠を奪うには
「準々決勝でLimitlessが負け」
「YMCが優勝する」
という条件が必要。
それを満たすため、YMCは準々決勝で直接対決をすべくスイスラウンドで順位調整を行った。
RLCSではブラケット配置が事前に公開されており、Limitlessはラウンド3で勝ち抜いたためYMCがラウンド4に臨む前に2位ブラケットに入ることが確定。
後は7位ブラケットへ確定で入るべく、同時進行している他チームのマッチ取得状況を確認するため試合の開始を遅延させるなどの行為を行った。
狙い通り、YMCは直接対決のブラケットを手に入れる。
しかし翌日、彼らを待っていたのは試合ではなくBAN通告だった。
RLCS運営チームは彼らの試合内容やゲーム分析、事実に基づく調査から今回の行為を競技規定に反するものと認定。
大会からの即時失格と賞金の没収、RLCSポイントの剥奪及び1年の公式大会への出場禁止が言い渡された。 出典
YMCにとっては今回のQ3で逆転総合一位となれば一気に世界大会へ進出するチャンス。
そのため彼らは遥々レユニオン諸島(フランス領のアフリカ近隣リゾート島、行きたい)へ赴きプレイを行う等、この大会に注力していたことは確かだ。
惜しむらくは、その労力が純粋にLimitlessに勝つことに向けられていれば……(Q1とQ2で直接対決しいずれも敗北している)
RLCS運営による迅速な対処の内容は、コミュニティからも正しい判断と受け止められている。
とはいえこの問題は下記列挙する数々の要因が絡み合って発生したものであり、来シーズンまでの対応が必要だと改めて感じた。
- SSA地域がロケットリーグ未発展の地域であり、なおかつ近隣の強豪地域EUから程々のpingでプレイ可能である
- 他地域でのRLCS参加が2024より公式にルールで認められた
- 賞金枠の拡大(32位まで賞金が発生)
- 上記要因が重なりSSA地域へのEUチームによる”遠征”が活発化(EUでは勝てないチームがSSAでは容易に上位へ食い込める)
- ブラケット枠があらかじめ公開されていることにより順位調整が可能、これが下位チーム側への特権となっている
RLCS2024は準備期間が短く、様々な問題を抱えながらの発車となってしまったことはご存じの通り。
どうかこれらの反省が活かされ、来シーズンは入念な準備と調整の元に開始されることを願うばかりだ。
今週の注目チーム
今週の注目プレイヤー
RLesports気になる動向
長くなっちゃったのでこの辺のコーナーは今週お休み!
終わりに
文体が安定してないところもあると思うけど暖かい目で見て欲しい……。
それでは、よい #RLCSのある生活 を!