「どこまでも共に強くなれるメンバー」ENC Rocket League日本代表・Nunkiコーチが語るチームの可能性
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- ひかるん

「強いメンバーを集めるというよりは、勝てるメンバーで挑みたい」
ENC Rocket League 日本代表コーチに就任したNunkiさんは、就任時の投稿でそう語っていました。
代表メンバーが発表された今、その言葉はどのようなチーム作りにつながっていくのでしょうか。
今回RL JAPANでは、Nunkiコーチにメンバー選考の考え方や、ENCへ向けた日本代表の展望について伺いました。
Engines on. The competition starts now.
— Esports Nations Cup (@ENC_EN) May 27, 2026
The Rocket League rosters are rolling in for ENC26. pic.twitter.com/AZWG5W7Scg
編集部
まずは、ENC Rocket League 日本代表コーチへの就任、そして代表メンバーの発表、おめでとうございます。
Nunki
ありがとうございます。ようやく日本代表メンバーの全貌を明かすことができました。
編集部
ちょうどロケットリーグ世界大会のRLCS Paris Majorがありましたね。
見ていて刺激を受けた部分はありましたか?
Nunki
準決勝の2つのマッチアップ、Shopify Rebellion vs Twisted MindsとKarmine Korp vs Team Vitalityの試合は刺激的なものでした。The LANの試合とも言えるような内容で、拮抗した者同士だからこそ、駆け引きや心理戦といった、やり取りの流れが見えました。私はコーチという立場ですが、やはりこういうレベルで試合ができるようになりたい、と純粋に思いました。
チーム結成について
編集部
それでは本題の日本代表チームについて伺っていきたいと思います。
今回のチームについてはNunkiさん主導でメンバーを集めたと聞いています。
どのような理念・方針に基づいてチームを結成したのですか?
Nunki
これまではチームがあって、誰かに声を掛けてもらってコーチになる、ということがほとんどでした。ですが今回は私が選手を選んでチームを作る、ということで、日本を代表する以上、コーチの私はもちろん、選手らにも日本代表としての使命や責任を果たしてほしいと思っています。
これを実現するため、選手を選ぶ前にどんな人物像が日本代表に相応しいか考えたところ、5つの項目に絞られました。①主導権を持って試合を動かす、②常にチームの成功確率を最大化する、③代表としての責任と信頼を体現する、④情報を制し、判断の質を安定させる、⑤継続的にパフォーマンスを発揮する自己管理能力。これらを実現してくれそうな選手を選びました。
今後もENCに向けての練習や日々のコミュニケーションを通して、自分たちの目指すべき方向を確認していけたらと思っています。
編集部
この4名になったことで、コーチとしてどのようなチームの可能性、どのようなチームになると感じたか教えてください。
Nunki
上手く嚙合わせることができれば、どこまでも共に強くなれるメンバーになったと思っています。
選手4名は全員が日本人でありながら、育ってきた環境や価値観が異なるメンバーも居ます。やはり根本的な考え方に違いを感じています。しかし、目指している場所というのは同じなわけです、視点が違うだけで。だから、どっちが優れているか、ではなくて、まずは互いの意見を理解する姿勢が何よりも大切になってくると思います。そうすれば、考えの違いはレイヤーの違いになり、最終的には自分たちがやりたいプレーが明確になってくると思います。
今回のメンバーならば、これができると信じています。
編集部
選考ではRLCS Pointsなどの実績も参考にされたとのことですが、数字だけでは見えにくかった判断材料はありましたか?
Nunki
それはズバリ、選手の相性や、チームにおける個人の役割みたいなところだと思います。
私がSNS上でお伝えした「強いメンバーを集めるというよりは、勝てるメンバーで挑みたい」とは、まさにそういった視点のものでした。ただこれは、仲が良いから強くなれる、という意味合いだけではありません。時に空気を和やかにしてくれる人も居れば、時には空気を締めてくれる人も居る、自分を大切にしつつも他者を尊重し、集団に貢献する、そういったことを考えた結果、今回の4名になりました。結果的にRLCS Points所持者上位4名になりましたが、先に「どんなチームにしたいか」を考えていたのは事実です。
編集部
ヒアリングやトライアウトを通じて、評価が変わった部分や印象に残った部分はありましたか?
Nunki
印象に残ったというより、選手側から積極的に印象を残してくれた、という感覚に近いかもしれません。そういう選手も居ました。たとえば私が何かを伝えたとして、その意図は100%伝わりません。だからそこで、聞き返してくれたり、自分の意見を伝えてくれたり、そういう認識合わせをしてくれる存在は非常に有難いんです。今後は、選手とコーチの間に限らず、選手間でも、会話のドッヂボールではなく、会話のキャッチボールができる機会を増やしていってもらえたらと思っています。
練習や試合について
編集部
ここからはチームを結成してからの活動方針やゲームプレイについて聞いてみたいと思います。
このメンバーでチームを作るうえで、最初に整理したい課題は何ですか?
Nunki
それは各々が理想とするチーム3v3がどんな形をしているのか、これを把握して、共通認識を再構築していくことだと思っています。スクリムでプレーを続ければ、自然と合ってくると思いますが、それが最善の形になるとは限りません。やはり各々がこれまでの経験で築いてきた根底の考えを共有していかなければ、最善の道は見つからないと思います。世界に勝つためには日々個人のレベルアップを図ってプレーの幅を広げることは大切ですが、並行して「どんなプレーをチームとしてやりたいか」を明確にすることで、自分がやるべきことの順番が見えてくるはずです。
編集部
各選手の個性を活かすために、役割やプレーの自由度はどのように考えていますか?
Nunki
実際、「全員の個性を最大限発揮できるチームを作る」というのは、簡単なことではなく、ある意味では理想論だとも感じています。ただ私は、その理想を追い求めること自体には価値があると思っています。トッププロの試合を見ていると、強く見えるプレーや連携はたくさんありますし、それを真似することで上手くいく場面もあると思います。しかし一方で、形だけを真似しても、なぜか噛み合わないこともあります。彼らはこれまで積み重ねてきた対戦経験や試行錯誤の中で、「なぜその選択が強いのか」を理解した上でプレーしているからです。だからこそ、自分たちも単に“強そうな形”を追うのではなく、「なぜそのプレーが機能するのか」を考え続ける必要があると思っています。その上で、最初から役割や動きを固め切るというよりは、まずは各選手が自分の感覚や強みを発揮できる状態を作りたいです。そして、チームとして形が見えてきた段階で、再現性や共通認識を高めながら整理していく。その流れでチームを仕上げていきたいと考えています。この部分については、先日選手たちとも認識を共有しました。
編集部
短期の代表チームでは、コーチが強く介入すべき部分と、選手に任せるべき部分をどう分けていますか?
Nunki
コーチが強く介入するべき部分は、チーム全体の方向性を合わせること、共通言語を作って選手の思考をなるべくシンプルにした上で思考のズレを無くすこと、選手同士の思想差を視点の違いとして整理して衝突整理をすること、この辺りだと考えています。選手に任せるべき部分というのは、盤面・状況判断、自分の強みと苦手な部分を理解すること、自分がしたいことに限らず、味方に何を求めるか、味方から自分がどう見えているかまで考えるという、チームを理解すること、これら3つをお願いしたいと思っています。
編集部
海外チームと戦ううえで、日本代表が特に準備しておくべきポイントは何だと思いますか?
Nunki
今の環境でも成長はできます。ただ、世界と本気で戦うためには、国内だけでは得られない経験や刺激も必要だと思っています。今シーズンからImport選手に関するルールも追加されましたし、これまでより公平性を感じられることで安心して競技に臨めるプレイヤーが増えたと思います。だからこそ、勇気を出して相手を少しでも知ろうとする姿勢が大切になってくると思います。今後の練習では、日本代表選手らと交友のあるAPAC上位の選手やImport選手らと合同で練習する機会を増やしていきたいと考えています。ただ、それに加えて選手らには考えることを辞めてほしくないとも思っています。世界と戦うためには、今後の試合を振り返る際に「トッププロのあいつなら、こうしてくるだろう」みたいな想像を働かせてみてほしいと思っています。それが、LANの試合の中の修正力で相手にくらいついていける唯一の方法だと思っています。
見てほしいところ・応援してほしいところ
編集部
今回の代表活動は、日本のRocket Leagueシーンにどんな価値を残せると思いますか?
Nunki
代表活動を通じて、「自分を持ちながら他者を尊重して競争する」という文化を少しでも残せたらと思っています。それが次の世代にも繋がって、日本のロケットリーグ競技シーン全体の熱量や競争力に繋がれば嬉しいです。
編集部
ファンがこの日本代表を見るうえで、どんな変化に注目してほしいですか?
Nunki
少し質問の意図とズレると思うのですが、私個人としては、選手らには自分を出していってほしいと思っています。最初はコンプライアンスとか日本代表の責任感で言いたいことが言えないこともあると思います。でも、そこも練習だと思うんです。そういった日々の行いから、自分を理解して他者を理解して、より多くの人を笑顔にすることができれば、それが良いプレーをすることに繋がると信じています。つまり、SNS上での発信、本番に臨む姿勢には注目していただきたいと思います。
最後に
編集部
ずばり今回の目標を教えてください!
Nunki
大会の結果としては、本選に出場し、グループステージで2勝することです。ENC日本代表メンバー一同、そのための日々の練習、チーム作りを全身全霊をかけて頑張っていきます。応援のほど、よろしくお願いいたします!
<ロケットリーグ日本チームのSNS>
Furlashh: https://x.com/furlashh
Lunatic: https://x.com/LunaticRL_
nai: https://x.com/nai_boop
Burn: https://x.com/BurnRL_
Nunki(C): https://x.com/NunkiRL
おまけ
編集部
サウジアラビアに行くのは今回が2回目ですが、大会以外の部分でしたいことはありますか?
Nunki
ロサンゼルスに行った時もサウジアラビアに行った時も、観光はほとんどしませんでした。もちろん私たちの使命は、日本代表として大会で良いプレーをして良い結果を出すことです。しかし、一人間としては、良い緊張感を持って大会に集中して臨むためには、リラックスすることだったり、色んな視点を持とうとすることが重要であると認識しています。サウジアラビアの民族衣装であるトーブを纏って、メンバーと外に出たい、これが私個人の密かな楽しみです。
編集部
サウジアラビアに今後行く人へのアドバイスをください!
Nunki
現在のサウジアラビアを知りませんが、一部ウェブサイトにアクセスできないことがあったので、必要な資料やデータは実物でも持っていくと良いかもしれません。VPNを使う方法もあるそうですが、詳しくは知りません。後は季節や地域によって差異はありますが、夏の内陸部は、日本の夏の湿度を無くしたような感じでした。外に出るなら帽子と水は必須ですし、そもそもなるべく外に出なくても良いようにルート取りを事前に決めておくこと、移動手段を確保することが重要だと思います。
編集部
パイナップルピザは好きですか?
Nunki
もう何度も見ているはずなんですが、あまり記憶に残っていません。いつもオフラインイベントに行った時は緊張しているので、味を覚えていないだけかもしれません。いつか味わって食べてみたいです。
[協力] kokken, firia


