レイオフに広がる不穏な空気
2023年9月、Epic Gamesは、ロケットリーグの開発元であるPsyonixを含む、約830人の従業員をレイオフすると発表した。このレイオフは、Epic Gamesが財務状況の悪化を理由に実施したもので、ロケットリーグの開発にも大きな影響を与えている。
https://www.epicgames.com/site/en-US/news/layoffs-at-epic
レイオフの対象となったのは、マーケティング、PR、コミュニティなど、コア開発チーム以外のスタッフが中心である。これにより、ロケットリーグのマーケティングやプロモーション活動が低調化しているほか、コミュニティとのコミュニケーションも減少しており、プレイヤー達は混迷を極めている。
実際に、元Epic Games Esports Managerの@juliventure 氏は自身のツイッターで
「Almost all of marketing, PR, community were let go (1-2 ppl left for each). Plus the ppl handling RL socials, the lawyer handling a lot of RL, folks from video & creative too. Ppl don't realize how badly the place was ripped apart 😞 Dev side is spread thin across projects too」
(マーケティング、PR、コミュニティのほぼ全員が解雇された。さらに、RLのソーシャルを担当していた人たち、RLの多くを担当していた弁護士、ビデオ&クリエイティブの人たちも。みんな、ここがどれだけひどい状態になっているか気づいていない。)
との発言を行い、Epic Games全体でもロケットリーグへの風向きは悪い一方だ。
さらに、12月5日にはロケットリーグのアイテムトレード機能も削除された。アイテムトレード機能は、プレイヤー同士でアイテムを交換できる機能で、ロケットリーグの人気を一役買うコンテンツのひとつであったが、Epic Gamesは12月8日よりスタートする「Rocket Racing」へのクロスプラットフォーム間アイテム対応のためとの声明を出した。
一方、日本では、ロケットリーグに関するイベントが活発化している。2023年2月には、「全日本高校eスポーツ選手権」ロケットリーグ部門の決勝大会が開催されるほか、3月にはロケットリーグ初の実写化映画『PLAY! ~勝つとか負けるとか、どーでもよくて~』の公開も決定しており、更なるコミュニティの活性化が期待される。
今後の展望
ロケットリーグは、2023年10月時点で、全世界で1億2500万人以上のプレイヤーがプレイしている人気ゲームであり、ヨーロッパやアメリカなど多くの地域でその人気は健在だ。
また、Epic Gamesは、2024年からロケットリーグのコンテンツを大幅に拡充することを計画している。これには、新しいゲームモードやマップの追加、ランクシステムの改善など、さまざまな内容が含まれるほか、eスポーツシーンの活性化にも力を入れていく方針である。
これらの計画が成功すれば、ロケットリーグは再び成長軌道に乗ることができるだろう。しかし、そのためには、マーケティングやプロモーション活動の強化、コミュニティとのコミュニケーションの改善など、多くの課題が残されたままだ。